今回は、叢生の原因についてご紹介します。叢生とは、歯が部分的に重なるなどして歯列に凹凸が生じている状態の歯並びのことです。以前のブログでご紹介した八重歯も、叢生の一種となります。叢生は日本人の不正咬合で最も多いといわれているため、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
叢生の原因
叢生が生じる原因としては、①先天的要因、②後天的要因、③①と②の両方、のパターンに分かれます。
- 先天的要因
叢生は、全ての歯が並びきるだけのスペースが不足している場合に生じます。つまり、
・顎の骨が生まれつき小さく、歯が並ぶスペースが不足する
・歯の大きさが生まれつき大きく、歯が並ぶスペースが不足する
のいずれかによって叢生が起こることが多くなります。また、乳歯から永久歯に生え変わるときに、永久歯が生えてくるまでの時間が長く空きすぎると他の歯が開いたスペースに移動しようとし、結果として歯が正常に生えてくるスペースが不足してしまうことがあります。乳歯がすべて生えそろった段階で歯と歯の間に全く隙間がない場合は、永久歯への生え変わりを注意深く観察したほうがよいでしょう。乳歯は永久歯よりも小さいため、少し隙間がある歯列のほうが望ましいともいわれています。乳歯列に隙間がないと永久歯に生え変わるときにすべての歯が正常に生えるスペースが不足する可能性が高くなるのです。
- 後天的要因
また、指しゃぶりなどの癖も叢生の原因となります。指しゃぶりの場合は、上の前歯が前方向に押し出されます。また、舌を出す癖や舌で歯の裏側を押す癖も、叢生の原因となります。これらの癖が原因で叢生になっている場合は、歯列矯正の治療と並行してこれらの癖を改善することも必要です。
上記のような先天的要因と後天的要因の双方が絡み合って叢生を生じている③のパターンでは、症状が重くなる傾向にあります。
まとめ
今回は、叢生の原因についてご紹介しました。叢生を放置するリスクについては次回以降のブログでご紹介しますが、歯並びや噛み合わせが気になる場合は、早めに矯正治療の専門医に相談するようにしましょう。当院では治療実績の豊富な矯正専門医が在籍しております。カウンセリングのご予約はお電話にて承っております。